シンガーソングライター 舞華(Myka)さんのオリジナルソング「桜舞う」のMVを、動画生成AIツールを使って作成させていただきました。
ご視聴はこちらから。(YouTube)
目次
制作の着想を得たきっかけ
このMVの舞台は、かつて新宿に実在したライブバー「STRENGTH」。
舞華さんにとって初めてワンマンライブを開催した、かけがえのない想い出の場所です。


「桜舞う」は、このStrengthのことを思い浮かべながら作った楽曲ということで、そこから着想を得て今回のMVを作成しました。
MV「桜舞う」ストーリー
このMVのテーマとして描いたのは、昼は仕事をしながら、シンガーソングライターの道を志すMykaと、不器用ながらも義侠心溢れる、ライブバー「Strength(ストレングス)」のオーナー、タケさんの二人が紡ぐ、切なくも温かいストーリー。
Strengthで自身の楽曲を披露すること、そして演奏を終えた後のタケさんとの語らいの日々は、Mykaにとってかけがいのない日常だった。




そのうちMykaは、Strengthで自身のワンマンライブを敢行することを思い立ち、その準備に明け暮れうようになる。
タケさんもまた、そんなMykaへの協力を惜しまなかった。
その甲斐もあって、無事、ワンマンライブは成功裡に終わった。


ある日、MykaはいつものようにStrengthを訪れると、店の前に貼り出されていた見慣れない貼り紙を目にする。
それは「Strength閉店」の案内。
あまりにも突然の出来事に、Mykaは思わず人目も憚らず泣きだしてしまう。
それからしばらくは、仕事もピアノの練習も手がつかない、もどかしい日々が続く。
そんな日々を過ごしている中、ふと、ベットの脇に無造作に置いていた青い箱のことを思い出す…
と、こういった感じでストーリーは続いていきます。
動画制作で使ったツールについて
AIでの動画の制作は、GoogleのFlowというツールを使って、「こういうシーンの動画を作成してほしい。」とプロンプト打ち込んで、望む動画を出力させるという感じで進めていきました。
1回のプロンプトで8秒の動画が生成されるので、それらをPowerDirectorという動画編集ソフトで繋ぎ合わせ、約5分の楽曲のMVを作成していきました。
契約中のGoogle AI Proプランで毎月支給されるクレジットは1000クレジット、一回の動画生成で消費されるクレジットは20クレジットなので、8秒の動画を50本作成することができるということになります。
ただ、いつも思った通りの映像が生成されるという訳でもなく、予想もしないような突拍子もない映像が生成することもあったりします。
(これはこれで面白かったりするので、いずれNG集として公開できればとは思っていますが…)
そういう失敗動画も、20クレジットとしてカウントされてしまうので、それも含めて一月で作成完了させるには、50回のチャンスで何とかやり切らなければならない、ということになります。
【以降ネタバレ注意!】ストーリー作成の際の悩みポイントについて
MV制作は、次々とアイデアが湧いてきて楽しくやれたのですが、物語の核ともなる以下の二つについてだけは、どうしようかがなかなか決められずにいました。
そして、Flowへのプロンプト作成を依頼した、今回の「映像プロデューサー」こと、Geminiとも相談しながら決めたのは、以下のものとなりました。
ポイント1.タケさんが突然行方をくらましてしまった理由




実は以前から店は経営難、かつ敵対する人達による立ち退きの圧力を受けていたが、Mykaのワンマンライブが終わるまでは、何としても店を守り抜こうと心に決めていた。
そしてライブが終わり、Mykaが最高に輝いた瞬間の記憶を「閉店の惨めさ」で上書きしたくないと考え、あえて数日後に静かに姿を消す。
回想シーンで、Mykaが店を出た後に見せたタケさんの憂いの表情、カウンターの傍らにおかれた「立ち退き命令」の通知書類を描くことにより、上記の背景があったということを、視聴者の方にそれとなく示唆するようにしました。
最後のシーンで震災現場での復旧活動に勤しむタケさんは、実在のタケさんも東日本大震災発生時、着の身着のまま、現地に救助活動に向かわれたというエピソードから着想を得たものです。
ポイント2.離れ離れになったMykaとタケさんとをつなぐアイテム


タケさんが自分の前から姿を消して以来、Mykaは何をやってもうまくいかず、悲しくて泣き続ける日々。
そんなある日ふと思い出したのが、ずっとベット脇の袖机に置きっぱなしにしていた、ワンマンライブ後にタケさんから貰ったプレゼントのこと。
開けてみると、そこに入っていたのは、「ラピスラズリ(青金石)のブレスレット」
ラピスラズリの石言葉は「幸運」「真実」「健康」「成功の保証」
あの時きっと、もうこれで会うのは最後になるということを知っていて、タケさんはこのプレゼントを自分に託してくれたんだ。
タケさんは、てっきり自分を見捨てて去っていってしまったと思い込んでいたが、そんな彼の真意を知った時、Mykaの「悲しみ」が、これまでの支援への「感謝」へと昇華し、再び元気を取り戻していくきっかけとなっていった。


それから八年後、Mykaは「池袋FIELD」で再びワンマンライブを開催することになるのですが、その時に左腕に身につけていたのも、このブレスレット。
そしてMVのエンディングでは、再び、タケさんが居なくなってしまった桜の季節が訪れます。
「私はもう大丈夫!」と言わんばかりに、きっとどこかで見守ってくれているであろうタケさんに向かって、右手でOKサインを空に掲げるシーンでも着用しています。
最後に
MVのストーリーは事実に基づいたフィクションで、もちろん実際のものとは大いに異なりますが、AIによる映像技術という思いもかけないツールにより、「STRENGTH」を甦らせることができたことを、とても嬉しく思っています。
できる限り、多くの方に見ていただく機会があれば幸いです。