2022.10 近畿旅行記(2) 「ふと童心へと帰れる空間」

2022.10 近畿旅行記(1) からの続き。

大阪での2日目の朝は、梅田から地下鉄で一駅、中津駅にある絵本カフェ「ペンネンネネム」へと向かいました。

「ペンネンネネム」は、たくさんの絵本の蔵書と、提供されるフードや店内のオブジェで、絵本の世界を表現しているコンセプトカフェ。
今回の旅の目的の一つとして、事前にコンセプトカフェ巡りをしてみようと思い、同店もその候補の一つとして考えていました。

「ペンネンネネム」案内板
お店は3階にあります
「ペンネンネネム」の入り口

入店して席についた後、食券を買い、受付にチケット渡して、料理の到着を待ちます。

店内の様子
席の横にある、紙芝居の枠組みを開けたところにメニュー表が貼ってあります。
この辺りにもお店のこだわりを感じます。
絵本「ぐりとぐら」
「ぐりとぐら」シリーズ?
実はシリーズものだった、ということもまったく知りませんでした…

料理が来るまで、手近にあった絵本「ぐりとぐら」を手に取って読んでみました。
「ぐりとぐら」名前だけはよく聞いていたけど、実は今の今まで、まったくその内容を知らずに過ごしてきました。
先日、この本の挿絵を担当された山脇百合子さんがお亡くなりになったというニュースを聞いたことも、この店に興味を持った理由の一つになっていました。

「にんじんばたけのパピプペポ」
子供の頃、この本を読んだ後、「にんじんは本当はおいしいんだよ」と教えられた記憶があります。
「からすのパンやさん」
この本も昔、家にあって読んでいたことを思い出します。

その他、昔読んだ記憶のある、懐かしい絵本たちを読み耽っていると、やがて注文していた料理が出されてきました。

注文した料理は、「はらぺこあおむし」をモチーフとした「はらぺこセット」と、「ぐりとぐら」をモチーフとした「ぐりぐらホットケーキ」

「はらぺこセット」
「ぐりぐらパンケーキ」

「はらぺこセット」は、絵本の中であおむしが食べたとされるもの(?)がお皿に並べられ、かわいいあおむしと食べ物のぬいぐるみの中に、スプーンとフォークが立てかけられています。

一方「ぐりぐらパンケーキ」は、絵本の世界観さながらの、フライパン型の皿の中に乗っかったパンケーキに、ぐりとぐらの帽子、大きな卵を割る際に使った石、そして集まった森の動物達のオブジェが置かれていました。

味もさることながら、プレートの中で絵本の世界観を忠実に再現しようとしているところが、なんとも心憎い演出です。

料理をいただいた後、少し席を立って、店のあちこちにある絵本やオブジェたちを見て回ってみました。
それぞれの絵本の周りには、それに関連するぬいぐるみ、グッズなどが並べられていたり、トイレの前に排泄物の名前の本が置いてあったりと、細部にもいろいろこだわっているなと感心させられました。

先週いみじくも、とあるラジオ番組を聞いていて印象に残った言葉なのですが、『ナルニア国ものがたり』の著者であるC・S・ルイスは「子供時代にしか読む価値のない本は、子供時代においても読む価値がない。」と言っていたのだそうです。
長年ずっと読み継がれている絵本って、大人になった今でも、読んでみて伝わるものがあるし、それなりに理由があってこそのものなのだな、というように感じました。

2022.10 近畿旅行記(3) へ続く。(予定)