芦花公園の閑静な住宅地内にある、世田谷文学館で開催中の「日本SF展」を見に行ってきました。
ここでは、まだSFという言葉の認知度が低かった頃、その啓蒙のために奮闘していった作家達の考証、残していった作品の数々を目にすることができます。
まず始めに目にするのが、日本のSFと端緒となった、1959年に早川書房より刊行された「S-Fマガジン」
当時刊行されたバックナンバーの一部が展示されています。
更に先に進むと、小松左京、星新一、筒井康隆などのSF作家、漫画家の手塚治虫、SF小説の原画を手掛けた眞鍋博など、それぞれの作品、人となりなどを紹介するコーナーがあります。
また、「特撮」の代表作のウルトラマンで使用された、貴重な資料の数々の展示、「リミテッド・アニメ」と呼ばれる、ディズニーなどとはまた異なった日本独自のアニメーション技法の紹介なども印象的でした。
会期中には、本展に関連した講演会なども催されますが、この日の講演は人工知能研究の第一人者、「エム教授」こと松浦仁教授による、人工知能の現状についてのお話。
将棋では、もうプロ棋士に勝ち越せる位の実力を持っているとか、「ロボカップ」というロボットにサッカーをさせる大会のこととか、2022年迄に、人工知能で東大入試を合格させる(^_^;) というプロジェクトが進行中だとか、いろいろ興味深い話を聞くことができました。
中でも、今回に関連しているところで言えば、人工知能に「小説」を書かせるプロジェクトが進行中というところ。
そのためのモデルとしたのが、星新一の「ショートショート」シリーズ。
展開にメリハリがあること、時代背景に囚われない普遍的な内容であること、あまり人間関係のドロドロした内容がないこと^^; などがその理由なのだとか。
ゆくゆくは、何らかの賞を受賞させるのが目標なのだそうです (^_^;)
「SFとは何か?それはキミ達が決めることだ。」著書「SF教室」で筒井康隆が冒頭に述べている言葉。
「SF」という言葉の定義、実に幅広いものだなあというのを実感するひとときでした (*^^*)