「ゴミ」を「たからもの」に変える職業

2014年6月1日

表参道のリサイクルショップ『パスザバトン』で開催中の『TOKYO SAMPLING』に行って来ました。

このイベントでは、「東京」をテーマに、東京の各所でサンプリングした音を収めたカセットテープに、音の採取地を撮ったポラロイド写真を添付したものが、作品として展示されています。

今日は、この展示物の作者である松崎順一氏によるトークイベントが行われました。
カセットに収められた音の採取地は、神社の賽銭箱の前、駅の改札、上野のアメ横市場、秋葉原のメイド喫茶の前と実にさまざまですが、その採取方法が実にユニーク。
採取地の前で、重さ7kgのラジカセを録音状態にして持ったまま、その場でひたすらじっとして録っていただそうです(・・;)
だから、周りから奇異の目で見られたことも珍しくなかったとのこと (^_^;)
松崎氏は、十年前にインテリアデザイナーを脱サラして、今の『家電蒐集家』という職業を始められたそうです。
日が昇っているうちは、日々捨てられるゴミからアンティークな物品を収集、日が落ちると自身のアトリエでそれらを分解し、修復を行う作業、という日暮し。
一つのアイテムを修復するためには、現在では部品がないため、少なくとももう一つは同じものを「見つけるまで」探す必要があります (・・;)
また、何十年も放ったらかしにされているため、分解・修理の際に、指の肉が焦げるのを実感するほどの感電をした経験も一度や二度ではないとのこと ^_^;;

写真にあるラジカセには、10万円の値がついていましたが、そのような作者の苦労が染み付いた一品と聞くと、決して高くはないのかもしれません。

このように苦労して制作したアイテムの売上金、アンティークの特集などを行う媒体の取材などを受けることで、何とか生計を立てているのだそうです。
正直なところ、決してマネをしたいとは言い難い生き方ですが… ^^;
思いっきり自分のやりたいことやって生計を立てられているという点は、単純に羨ましいなと思いますし、こういう生き方をしている人もいるんだなと知ったことは目からウロコでした (^^)