先日の祝日の日、西麻布にあるイベントスペース「KONTACTO EAST STUDIO」で行われた、「鹿嶋パラダイス/Paradise Beer Factory」代表の唐澤秀さんのトークイベントに参加してきました。
「鹿嶋パラダイス」は、「自然栽培」という、肥料も堆肥も農薬も使用せず、野菜本来の味を引き出す農法を実践している茨城県鹿嶋市にある農家。
「自然栽培」選択したのは、環境にいいからとか格好良いものではなく、収穫した作物がとにかく誰が食べても分かるくらい抜群に美味しかったから、という理由なのだそうです。
唐澤さんは、「鹿嶋パラダイス」を通じて、「壮大なる実験」を試みているのだそうで、その実験とは「この世のパラダイス」を作るということ。
その定義とは、「持続可能で、体にも環境にもよく、美味しくて、心地よく、煩悩全開であっても経済が回る社会」
人間は言ってみれば煩悩の塊だから、あれもこれも我慢して、ということだとどうしても続けられない。
逆に、たまに「いいこと」もするけど、それにしたって「なければならない」からではなくて、結局は「欲」によって動かされているもの。
だからたとえ「煩悩全開」であっても、それを「いいこと」の方にベクトルを持っていけば、必ず「パラダイス」に近づいていくはずなのではないか?ということでした。
トークの間、机に置かれていた「鹿嶋パラダイス」で収穫された野菜をつまんでみたのですが、確かに何もつけなくても美味しい。
特にほうれん草は、根っこまでほんのり甘かったというのが印象的でした。
そして「Paradise Beer Factory」は、原材料の生産から加工・販売まですべて自分達で手がけた「パラダイス・ビア」を扱うビール工房なのだそうです。
「自然栽培」を行うための畑を育てるためには、大豆や麦を植えることが必要なのだそうで、そうしていくうちに「じゃあビールも作ってみよう」ということになったとのことです。
ちなみに、すべてを自分達で手掛けているビール工房は、世界中を見渡してもここしかないとのこと。
というのも、原料から作るとなると、700万円するコンバインを自前で持たなければならない、麦を一年間保管する設備、コストなどが掛かり、とても商売にはならないからなのだそうです。
トーク開始前に、実際に「パラダイス・ビア」を賞味してみましたが、若干酸っぱく、すっと飲めるという印象でした。
その他にも、「なぜ国産大豆は美味しくないのか?」等々、このような活動をされているからこそ知り得る裏事情など、興味深い話も聞かせていただきました。
鹿嶋市は、東京から高速バスで約2時間のところにある場所。
また「カシマスタジアム」をホームグラウンドとする「鹿島アントラーズ」でも有名なところでもあります。
「Paradise Beer Factory」では、「パラダイス・ビア」をはじめ、「自然栽培」の素材で作った料理を提供するレストランも併設されているそうなので、今年はカシマスタジアムでサッカー観戦でもして、その折にでも立ち寄ってみようかな、とちょっと考えています。