「異国から来た寅さん」が手掛けた渾身のビリヤニ

2020年1月27日

スパイスカレー研究部」主催の、「ムガルカフェ」のオーナーさんにスパイスの使い方を学ぼう、というイベントに参加してきました。

このイベントは、研究部のメンバーのお一人の方が、行きつけのお店「ムガルカフェ」のオーナーであるカーンさんに、研究部のことについて話したところ、「自分はスパイスのことなら何でも教えられるから、一度勉強会でもやりましょう。」とご提案をいただいたことから持ち上がったもの。

実は元々は、駒込にあるお店の方で行われる予定だったのですが…
開催予定の二週間前、不幸なことに、お店が火事に遭って全焼してしまう、という出来事が起こってしまいました。

もうとてもイベントどころではないだろう、と思っていたところ、しばらくして、場所は変わることになるけど予定通り実施しましょう!との連絡が😮
開催可能な場所の目処がついた、とのことでした。

イベント開催場所として場所を提供いただいた巣鴨の英語幼稚園
今回お世話になったカーンさん

そんなこんなで迎えたイベント開催当日。はじめましての挨拶、カーンさんが一通りお話され、買い出しのため外出された後、続いて奥さんのミカさんがお話をされました。

十数年前、結婚をきっかけに「うっかり日本に来てしまう」まで、カーンさんはずっとインドの片田舎から出たことがなく、当時のカーンさんは「ほとんど野生児」のような環境で育ってきたとのこと。

言葉の通じない異国での生活で目にしたインド料理店の看板。つい嬉しくなって、いろいろなお店をハシゴしたそうなのですが、店員さんは実はネパール人だったとか、(それはそれで美味しいのだけど…)自分が食べて育った味とは全然違う、というのが現実だったのだそうです。

そんなカーンさんに、ある日突然「今日仕事辞めてきた。」と切り出されたのだとか😅
「ニセモノ」が多くある現状にいたたまれなくなって、自分で店を出してホンモノの味を伝えていかなければ、と思われたのかもしれません。

使用したスパイス(パウダー)
使用したスパイス(ホール)
70人前のビリヤニ
特製カレー

そんなカーンさんと、彼がインドから連れてきた二人のシェフ (元星付きレストランで勤務経験あり) がデモンストレーション形式で紹介していただいた料理は、チキンとマトンの二種の「ビリヤニ」
「ビリヤニ」とは、インドでよく食べられているスパイスとお肉の炊き込みご飯のことで、「ムガルカフェ」がまだ屋台だった頃から提供されていた、カーンさん自慢のレシピなのだそうです。

調理中、カーンさんがポイントとなるところで解説をしていただき、疑問に思ったところを、見ている研究部メンバーめいめいで更に質問し深堀りしていく、という流れで進んでいきました。
ただ、二人のシェフが手慣れた感じで進められ、中にはインドでしか入手できないという材料も投入されたりということで、なかなかそのレシピをキャッチアップするのも一苦労😅
少し落ち着いたところで、皆で「あそこはこうだった」みたいな記憶を結集し、何とか簡単なレシピを皆で共有し合いました。

この日作った計70人分のビリヤニは、この後予定されている、有志の方々によって急遽企画された「ムガルカフェ復興イベント」で振る舞われるもの。
無事だった調理器具を持ち出して使われていたのですが、消火活動の際の水の影響からか、なかなか思うような火力が出なかったようで、完成の予定時間が若干遅れてしまうことに。

その他にも、なかなか思う通りにいかなかったことがあったのか、イベント終了後、カーンさんは不手際だったことをしきりに謝られ、「ぜひまたやらせてください」と言われていました。

でも、自分からしてみたら、それは本当に「とんでもない」こと。
大変な状況を顧みず、予定通りイベントを開催していただいたこと、またホンモノの腕前を惜しげもなく公開していただいたこと、そこは本当に感謝しかありません。
そして、カーンさんのビリヤニに対する熱い情熱も、十分に伝わってきました。

今回学んだことをすべてを受け取ることは、正直なかな難しいとは思いますが、それでもいくつか今まで「常識」と思っていたところが覆されたポイントが遭ったような気がしたので、今後に活かせたらと思っています。

正直ビリヤニは、今まであまり興味はなかったけど、これを機に、今度時間のあるときにでも一度作ってみようか、という気にもさせられました😊