「パンケーキあるけど、食うか?」

2022年4月9日(土)両国国技館で行われた、新日本プロレス『HYPER BATTLE’22』最終戦を観に行ってきました。

当日の両国国技館入口のようす
周辺ではまだ桜が咲き誇っていました

半年ぶりのプロレス観戦、いろいろ見どころはありましたが、個人的に中でも特に楽しみにしていたのは、一躍「時の人」となった、グレート-O-カーン選手の試合。

オーカーン選手は先日、駅構内で泥酔していた男に連れ去られようとしていた女の子から助けを求められ、その場で男を取り押さえ、事件解決に協力したとのこと。

女児救出でお手柄オーカーン…なぜパンケーキを持っていたのか トレンド1位獲得も称賛の声には当惑
(東スポWeb)

その功績により、警察から感謝状も贈られることとなりました。

事件に遭遇する直前に、マクドナルドで大量にスイーツを購入していたようで、左手に「桜もちパイ」を持ちながら男を取り押さえたのだとのこと。
そして、救出後に一緒に購入していた「パンケーキ」にはちみつを掛けて、怯える女の子に「パンケーキ」手渡したのだそうです。

事件当時、オーカーン選手が持っていたとされる「桜もちパイ」と「パンケーキ」
試合前の両国国技館
2階席の一番後ろでしたが
傾斜が程よい感じで、リングも見やすかったです。

ということでそれにあやかってではないですが、会場近くのマクドナルドに立ち寄って、桜もちパイとパンケーキを買っていきました。
(とはいえ、会場内での「食事は禁止」とのことだったので、その場では食べられませんでしたが…)

オーカーン選手は、自分のことを「余」と名乗り、自身のファンを「帝国民」と呼び大事にする一方、
それ以外の人を「愚民」と吐き捨てる、傍若無人な性格のヒールレスラー。
その区分けで分類すると、自分は「愚民」の方になるのだけど(どちらかと言うと苦手なタイプ…)、それを差し引いても、今回の一連の行動自体には感銘を受けました。

グレート-O-カーン選手とパートナーのジェフ・コブ選手
「クリーンファイトで行こう」とばかりに握手を求めますが…

この日オーカーン選手が登場するのは、第六試合の「IWGPタッグ選手権試合」
後藤洋央紀&YOSHI-HASHI選手が持つベルトに挑戦するという試合となります。

これまでの前哨戦でもやっていたように、この日もまた、先日警察より授与された「感謝状」を携えての入場。
そして、試合開始前に、チャンピオンチームの二人に対して「クリーンファイトで行こう」とばかりに握手を求めますが、油断させてからの「不意打ち」でゴングが打ち鳴らされます。

チャンピオンチームが徐々に追い込んでいきますが、
流れは渡さないという展開

試合は、連携で一日の長のあるチャンピオンチームが、オーカーン選手とパートナーのジェフ・コブ選手を少しずつ追い込んでいきましたが、ピンチの時はお互いにカットインし、流れを相手に渡さないという展開で進んでいきます。

そうしてついに、試合の決着のつくときがやってきます。
チャンピオンチームがコブ選手を捕らえて、試合を決めようとしたところを、オーカーン選手が助けにチャンピオンチームの二人をなぎ倒し、息を吹き返したコブ選手が、YOSHI-HASHI選手に必殺技の「ツアー・オブ・ジ・アイランド」を決め、見事にチャンピオンチームから勝利!

試合後は、ふてぶてしく相手を踏みつけながら、戴冠したチャンピオンベルトと感謝状を掲げての勝ち名乗り。
そして「泣いてんのか?パンケーキでも食うか?」と、例の事件当時、助けた女の子に向けて言ったセリフを投げかけて挑発。
これには思わず失笑せずにいられませんでした。

その他、ずっと敵対していた同士がお互い手を組む意思表示をした感動のシーン、プロレスのリングで相撲を取るという奇妙な光景、そしてIWGPチャンピオンが貫禄の強さを見せつけての防衛と、いろいろと盛りだくさんの興行でした。

オーカーン選手の試合、生観戦するのは今回が初めてでしたが、まだキャリは浅いながら、その実力はもとより、リング上での堂々とした立ち居振る舞い、機転の効いた対応と、改めて大した選手だなと感じるひとときでした。
とはいえ、やはり「帝国民」としてなびくことは、今後もないと思うけど。。